Cookie Tin Guitar Fretboard Work Part1

 さて、今回は製作中のクッキー缶ギターの指板作業です。

 材は、丁度良いメイプルの端材があるのでそれを使用します。

 長さは、スケールをカバー出来るもので、厚さは5.2mmです。

 手順は、

①まず、センターラインを引きます。

②スケールは480mmに設定したので、前述した定数17.817で計算した各フレットの数値を指板材に罫書きます。

③あとは、ノコギリで溝を切るのみ。

〈溝を切る時の注意点〉

 仕上がりで、溝の幅(ノコの刃の幅)は、フレットのタングの幅と同じくらいの気持ち狭いくらい、深さもタングの長さと同じくらいの気持ち深いくらいがベストです。

今回は0.5mm幅のノコを使用していますが、実際は若干狭い溝が切れるノコです。

 新しい指板を作る時に、あくまでこの段階で大事なのは、正確な位置の計算をし、正確に罫書き、タングの太さと同じ幅の溝を切ることです。溝の深さは、指板にRを付けた後にもう一度調整するので、深すぎなければOKです。2.5mm以内に抑えておいて下さい。

時系列的に写真を載せておきます。

①罫書きます。

②溝を切ります。

③ネックの指板を貼る面にセンター線を書き、指板寸法を書く。

④指板幅を仕上げる。

 今回は、1mm厚のバインディングを貼るので、両サイドとエンドを1mmづつ短く仕上げます。

 今回は、まだRは付けていません。バインディング、ポジションマークを付けてから、Rを付けます。もちろん、まだ指板は接着してません。

 2つ程余談ですが、溝切り用のノコも今はネットでも買えます。私は、昔の人間なので使いませんが、最初のうちは利用するのも良いと思います。経験していくとその一本だけでは対処できなくなると思います。

 簡単に言うと、フレットもフレットのタングもノコの刃先もメーカーによる誤差、その個体によっても誤差があるということです。

 また、私は指板の材質の違いによっても使うノコを変えます。

 色々の幅のノコを試し、自分にあったノコを見つけたら大事に使いましょう。

 とはいえ、このブログでは極力DIYスピリッツでいきたいので、刃先0.4mmのノコならいけると思います。日本のノコでホームセンターなどで売っている0.5mmだと仕上がりの溝は太いかもしれません。

 手作業の道具は奥が深いです。

 もう1つの余談です。

 リペアでロッドのない順反りのネックを修正するのに、ワザとタングの太いフレットを使うことがあります。また、その逆もあり、溝を埋めて、要所要所のフレット位置で0.3mmくらいのノコで溝を切り直す場合もあります。要は、少しワザと逆反りにするのです。予想とイメージで作業をしていくので経験が必要ですが…。ギター修理はイメージトレーニングが大事です。この辺は、そのうち詳しくやります。

 少し長くなってしまいました。続きは、Fretboard Work Part2で。

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